待望のデビュー・シングル「ブルー・エンジェル/夕ぐれの渚」

ブルー・エンジェル イメージイラスト

1967年(昭和42年)秋に結成したポニーズは、半年以上の準備期間を経て、1968年(昭和43年)8月25日(日)に「ブルー・エンジェル/夕ぐれの渚」でレコードデビューします。

今回は、こちらのデビュー・シングルについて詳しく見ていきたいと思います。

 

原田さん作曲の「ブルー・エンジェル」

デビュー・シングルA面の「ブルー・エンジェル」は、ポニーズのリーダーでリードギターの原田さんが作曲を手がけた曲です。
作詞の針谷恵介さんは、原田さんがマグマックス・ファイブ参加前のアマチュア時代に組んでいたバンド「ヤングフェローズ」で一緒に活動していたバンド仲間だったそうです。
ヤングフェローズでは、原田さんはギター、針谷さんはボーカルでした。

1966年(昭和41年)に、原田さんと針谷さんが一緒に「ブルー・エンジェル」を制作。
ポニーズ結成の時点で、すでに曲はできあがっていました。

原田さんは当時、外国の曲に憧れていて、特にエルヴィス・プレスリーのバラードが好きで影響を受けられたそうです。
「ブルー・エンジェル」の制作にあたっては、なんとか洋楽の曲に近づけたいという思いで、作詞の針谷さんと相談しながら曲を作られたとのこと。

ポニーズの曲に対する私のイメージは、童謡のような そっと寄り添う優しいイメージもあるのですが、それと同時に、昔のオシャレな映画音楽みたいだな・・・という印象を強く抱いています。
それも、邦画ではなく洋画の音楽。
ジェームズ・ディーンの『エデンの東』のテーマ曲とか、『タミーと独身者』の主題歌でデビー・レイノルズが歌った「タミー」とか、そのへんの時代の美しい映画音楽と通じるものを感じます。
ポニーズの曲を聴きこめば聴きこむほどに、そう思えてくる。
特に1枚目の「ブルー・エンジェル/夕ぐれの渚」の2曲に関しては、ポニーズの曲のなかでも洋画音楽と通じるものを強く感じます。
なぜそのように感じていたのか?
「ブルー・エンジェル」は洋楽を意識して作られた・・・というお話を伺って、納得しました。

原田さんはマグマックス~ポニーズ時代に「ブルー・エンジェル」のほかにも曲を作っていたそうですが、曲の完成まではいかなかったとのこと。
ポニーズではバンドをまとめる方に注力されたそうです。

(※B面の「夕ぐれの渚」は、小学館プロダクションの関係者の作品だそうです。)

 

「ブルー・エンジェル」のレコーディング

レコードの音源に関しては、ポニーズは歌とコーラスのみで、演奏しているのは別の人たちです。
(レコードには使われていませんが、「夕ぐれの渚」の別アレンジをポニーズだけで演奏し録音したカラオケのテープはあったそうです。)

「ブルー・エンジェル」のレコードで実際に演奏をしているのは、次のスタジオ・ミュージシャンの方々です。

・ベース:江藤勲(元ブルー・コメッツ)
・ギター:杉本喜代志
・ドラム:田畑貞一
・エレクトーン:穂口雄右(元アウト・キャスト)

元アウト・キャストの穂口さんも参加されていたと聞いたときは、ビックリしました。
この時点で、すでにスタジオ・ミュージシャンとして大活躍されていたのですね。
驚いたと同時に、なんか嬉しいですね。
わたし、アウト・キャストも好きなので。
残念ながら、穂口さん在籍時のレコードは持っていないのですが・・・。

B面の「夕ぐれの渚」も、上記の方々が演奏されているとのこと。

ちなみに、ホームグラウンドだった新宿『フォーク・ビレッジ』でポニーズが演奏する際は、原田さんのアレンジで「ブルー・エンジェル」を演奏していたそうです。

 

レコードジャケットで着用のユニフォーム

「ブルー・エンジェル」のジャケット写真でポニーズのメンバーが着用している、花柄シャツのユニフォーム。
こちらは、新宿『フォーク・ビレッジ』の社長・吉田さんの知り合いの方に作ってもらったものだそうです。

ジャケット写真だとみなさん屈んでいるのでわかりづらいですが、
  ・シャツの裾はラウンドカット
  ・パンツは光沢のある生地で、センターにピンタック、サイドにはレースのような白いテープが施されている
  ・エナメルの黒い靴
・・・といった感じです。
レコードのジャケット写真には靴は写っていないのですが、当時の雑誌記事などでは確認することができます。

B面の「夕ぐれの渚」のジャケット写真で着用している服は、撮影用の衣装ではなく、私服だそうです。
みなさんオシャレで爽やかです!

ユニフォームに関しては、マネージャーさんからいつも言われていたことがあったそうで・・・
それは「衣装を着たら座るな」ということ。
生地にもよりますけど、パンツを穿いて座ると膝の部分にクセがついて、立ったときに膝部分がポッコリと出っ張ってしまうことがありますよね。
それを避けるために厳しく言われていたそうで、椅子に座る場合は膝を出さないようにして座るなど、衣装を着用しているときは気をつけていたそうです。
見えない部分で、こういった涙ぐましい努力があったのですね。

 

こうして無事にデビューの日を迎えたポニーズ。
「ブルー・エンジェル/夕ぐれの渚」のリリースを記念して、レコードデビュー当日、銀座のヤマハホールでデビューコンサートが開催されました。

つづく・・・

 

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プロフィール

HN:雙木(Namiki)

ただのGSファン。
ポニーズが好きすぎて、サイトを立ち上げてしまいました。

ポニーズの音楽の世界を、彼らが歩んできた道を、どうにか後の世に伝えたい!
そう思った管理人が、ポニーズ関係者にお話を伺いながら、記事を執筆しております。

私と同じように、ポニーズを愛していて、彼らのことを知りたいと思っている人たち…“隠れポニーズファン”は、きっとたくさんいるはず。

ポニーズを知らない人にも、彼らの曲の素晴らしい世界観を知ってほしいし、こういう素敵な音楽をやっていた人たちがいたということを知ってほしい。

彼らの存在がこのまま忘れ去られてしまうのは惜しいのです。

ポニーズのピュアで美しい音楽の世界が、ずっとずっと後の世まで残ることを祈りながら、ポニーズの活動の記録を残していきたいと思っています。

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